経理といえば会社の金庫番。経理業務は煩雑で間違いが許されない重要かつ繊細さが必要になる仕事です。
その煩雑な経理業務の約80%はルーチンワーク、いわゆる繰り返し作業が大半を占めるので、意外に効率化がしやすい業務なのです。現状をみて、効率が悪いと感じているなら、効率化できる要素を分析して、改善していけば効率化はそれほど難しいものではありません。
そこで今回は、法人の経理業務を効率化するポイントと3つのコツをご紹介いたします。
目次
1、経理業務を効率化するポイントは?約80%ルーチンワーク!
経理の経験がない方は、経理業務は煩雑な作業が多いように感じてしまいがちですが、経理業務の約80%は繰り返し作業だといわれています。ちなみに、繰り返し作業は「ルーチンワーク」や「ルーティンワーク」と呼ばれ、経理業務は典型的なルーチンワークなのです。
経理は日常業務、月次業務、さらに年次業務の大きく3つの業務を行うのが主な仕事となります。
それぞれ、主な仕事の具体例を挙げると以下の通り。
◆日常業務
- 現金の出納管理
- 預金管理
- 帳簿や伝票の管理 など
◆月次業務
- 請求、支払い業務
- 給与計算
- 月次決算書および損益管理表の作成 など
◆年次業務
- 決算書の作成
- 法人税などの税金の申告および納税
- 年末調整
- 各種保険料の計算および申告 など
以上のように、経理は一般的にやるべき業務が3つに分けられるだけで、ほぼルーチンワーク。そのため、営業職や技術職と違い、経理業務は業務効率化がしやすい業務だと言えるのです。
また、基本的に営業などと違い、経理は社内で行う業務が大半を占め、さらに緊急性もないため、業務効率化がしやすいといえます。
2、経理業務を効率化する簡単な3つのコツ
次に、経理業務は効率化しやすいといっても、具体的にどんなコツがあるのか?大企業であれば、大掛かりな経理システムを導入できますが、中小企業では中々難しいもの。
そこで、誰でも簡単にできる経理業務を効率化するコツを3つご紹介いたします。
効率化のコツ➀ Excelを活用する
前項でもご紹介した通り、経理業務は会社によって多少異なるものの、基本的に日常、月次、年次で作る書類や処理は決まっています。そこで、会計システムを導入していない会社は、MicrosoftのExcelの活用が必須。
現金の出納管理や帳簿・伝票の管理、給与計算、月次決算書や損益管理表、などなど。これらのフォーマットを予めExcelで作成して利用できるようにしておけば、あとは数字を入力するだけで済みます。
その際、経理を行う部署で「Googleドライブ」などのクラウドサービスを利用すれば、部署内でファイルが共有できるのでおすすめです。基本は無料で利用できてキュリティ面も充実しているので安心して利用できます。ただし、預金管理や決算報告などの重要な書類は別で管理しましょう。
効率化のコツ➁ ネットバンキングを活用する
通常、預金の管理や取引先への入金など、1日2~3回も銀行に出向いているなら、労力と時間を浪費してしまいます。そこで便利なのが、インターネットバンキングです。
現在では、法人でもインターネットバンキングが簡単に申し込めるので、その都度銀行に出向かなくても、会社のパソコンから手続きが可能に。インターネットバンキングでは、残高確認/入出金明細の閲覧・振り込み・振り替え/定期預金や積立定期預金/税金や各種料金の振込みなど、取引銀行によってサービスは多少異なるものの、様々な手続きができます。
また、振込手数料が銀行の窓口で手続きを行うよりも、インターネットバンキングで振り込み手続きした方が若干安くなります。
効率化のコツ➂ クラウド型の会計ソフトを利用する
先程もGoogleドライブというファイル管理ツールをご紹介しましたが、今では様々なクラウドサービスがあり、経理業務を行うための会計ソフトも数多くのサービスが利用できるのです。
主なクラウド会計ソフトとして、
- Freee(フリー)
- 弥生会計 オンライン
- MFクラウド会計
などなど、シェアNO.1はFreeeですが、その他にも数多くのクラウド会計ソフトがサービスを展開しています。通常、パッケージ型の会計ソフトはインストールしたPCでしか利用できませんが、クラウド会計ソフトはインターネット環境があればOK。もちろん有料ですが、申し込みを行えばパソコンへのインストールが不要。インターネットに接続されたPCからいつでもアクセスできます。
また、Freeeでは、銀行口座やインターネットバンキング、クレジットカードが連携でき、日付や金額、取引先などの利用明細を自動で取得しAIを使って勘定科目などを推測してくれるので、時間を大幅に削減できます。
以上の3つのコツをご紹介しましたが、現代はインターネット社会なので、クラウド会計ソフトなど様々なサービスがインターネットを介して利用できます。その他にも、スマホ(Android/iPhone)のアプリの中には「経費精算アプリ」が多数あり、個人の旅費や交際費の清算で便利に利用できるので、精算に係る手間と時間を削減することもできるのです。
3、まとめ
経理業務は煩雑で業務効率化が難しそうだと思われがちですが、逆に効率化がしやすい業務だといえます。基本的に、日常、毎月月末、年一回と3つの業務に分かれるので、それぞれのルーチンワークを見直して改善対策を施せば、意外に簡単に業務効率が実現できます。
その際、PCのExcelの活用は勿論、今ではインターネットがあれば何でもできる時代なので、クラウド型サービスなど上手に利用すれば、より経理業務の効率化が図れるのではないでしょうか。